2010/05/24 |
1年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は、医学部医学科3年生の今鉄男と申します。
私が、薬理ゲノミクスの門を叩いたのは1年生の11月でした。何か医学生として全力で医学と向き合うには研究室に所属するのが得策だと思い、新医学専攻に登録することを思い立ったのがきっかけでした。
薬理ゲノミクスでは、田中先生を始めとした医学に本当に熱い先生方、大学院生の方々の指導を受けることができ、日々成長している自分がいます。実験を通して、幾度となく試行錯誤を繰り返し、時には実験の失敗が続いて落ち込んだりもします。しかし、実験が成功し、世界でまだ誰も知らないことを自分が最初に解き明かしたときの爽快感は相当なものです。また、研究を通して、まだ治療法の確立されていない病気に対する解法を求め続けることが、病に苦しむ患者さんのためになるのだという実感が、医学生としてとても充実感を覚えます。
私が薬理ゲノミクスに通い始めてからは、医学部の正規のカリキュラムに対しての取り組みも、大きく変わりました。実験を通して最新の遺伝学的手法や、薬理学的手法に精通することができ、医学部の専門の授業の内容が大変理解しやすくなった上、教科書の単なる丸暗記でなく、講義を通して自分なりに学びを深める姿勢を身につけることができました。また、一見して、臨床医学に関係のなさそうな話でも、想像を豊かにして、治療薬や診断方法に結び付けて考えることにより、何一つ無駄な講義はないのだという信念を持ちました。
私自身は、患者さんに寄り添った医療が提供できる医師になりたいと思い、医学部を志しました。はじめのうちは臨床医学しか興味がなく、基礎医学を軽視していました。しかし、薬理ゲノミクスで基礎医学を学ぶにうちに、考え方は変わっていきました。基礎医学をしっかりと学ぶことによって、臨床医学の内容が大変見通しがよくなるし、逆に臨床医学のことがわかっていると基礎医学にフィードバックができるのです。基礎医学と臨床医学の協力が、医療全体の質を向上させ、‘みんなで’、新しいものを次々に生み出していくことが必要だと考えます。僕は次のことを自問自答しています。
「基礎・臨床は切っても切れないものなんだ!その二つは表裏一体なんだ!!」
既存の治療法では、治せない患者さんはたくさんいます。その方々の気持ちに思いをはせたとき、私たちがしなければならないことが自ずと見えてくると思います。
1年生の皆さんは、今、部活等に所属し、新しい大学生活を満喫されているころだと思います。薬理ゲノミクスは、部活やサークルなどの予定は十分に考慮して指導していただけるの(事実、私は社会人サッカーや、サッカーサークル、軽音サークルを掛け持ちしています)で、皆さんの生活の中に、薬理ゲノミクスで本気で医学と向き合う時間を持ってみませんか?もしも、興味を持たれたなら、一度気軽に薬理ゲノミクスに遊びに来てみてください。みなさんと一緒に医学を勉強できる時がくることを心待ちにしています。