2024/10/05 |
三重大学システムズ薬理学は、大学院生を大募集中です。
医科学専攻(修士課程)・生命医科学専攻(博士課程)
令和7年度4月入学(第2回募集)
出願資格事前審査受付期間 令和6年10月16日(水)?18日(金)
出 願 期 間 令和6年12月2日(月)?令和7年1月6日(月)
学 力 検 査 日 令和7年1月25日(土)
合 格 発 表 令和7年2月19日(水)
下記のシステムズ薬理学に関心がありましたら、ぜひ応募ください。
もし更なる情報を希望される場合は、田中利男tanaka@doc.medic.mie-u.ac.jpへ、お尋ねください。
フォワード薬理学とは,治療薬によるフェノタイプ(薬理作用)から薬物標的分子を同定し,オ ミクス機構の解明を試みる研究戦略であり,ゲノム創薬以前には創薬の基本であり古典的薬理学 と呼ばれていました。ポストゲノムシークエンス時代に勃興したリバース薬理学は,まず特定の 病態における創薬ターゲット分子を決定し,そのターゲット分子に作用する治療薬候補を探索し, 最終的に薬理作用を確立する薬理学であり,現状の中心的創薬戦略となっています。最近,このリ バース薬理学が画期的新薬開発に必ずしも有効ではなく,画期的新薬開発は依然としてフェノタ イプスクリーニングにより実現していることが明らかとなり,フォワード薬理学の新しい役割が 世界的に注目されています。具体的にはゼブラフィッシュによりフェノタイプスクリーニングの 高速化,定量化,自動化,高度化,精密化が強化されることにより,オミクス解析の急激な発展に 対応できるようになりました。
従来の薬理学はハイスループットが可能な iPS 細胞などヒト細胞やロースループットながら in vivo メカニズム解析に活用してきた哺乳類が 2 大モデル生物でした。最近、ゼブラフィッシュが 薬理フェノミクスのライブ in vivo ハイスループットスクリーニングを実現できる数少ない第三 のモデル生物として米国 NIH が推進し,全く新しい創薬パラダイムを実現し,画期的医薬品やド ラッグ・リポジショニングにおいて明確な開発成果を出しております。すなわち,ゼブラフィッ シュ創薬は,フォワード薬理学とリバース薬理学を統合したものであり,強力な PK/PD モデルと して,21 世紀における真のシステムズ薬理学研究戦略であります。さらに臨床患者がん移植ゼブ ラフィッシュモデル(PDXZ)システムは,次世代フェノミクス精密医療(Precision Medicine,プレ シジョンメディシン)システムのコアテクノロジーとして期待されており,本学でも着実に成果 が出ております。
以上のことから,リバース薬理学と統合的な研究戦略が可能なフォワード薬理学がゼブラフィ ッシュ創薬において実現しつつあり,本講座ではこの統合的フォワード・リバース薬理学(修士・ 博士課程)を研究指導します。
「日薬理誌 154(2)78-83, 2019」「毒性質問箱 第 25 号 2023,54?63」「生体の科学 69(4)297- 299, 2018」