2025/10/16 |
2024年以降、患者がん移植ゼブラフィッシュシステム(PDXZ)の臨床実装が急激に加速している。例えば55名の大腸がん患者を対象とした検証において、PDXZシステムが91%の精度で患者の治療反応を予測することが実証された(Nature Communications 2024 Jun 5;15:4771)。さらにポルトガルのChampalimaud Foundation主導によるXenoZ臨床試験(NCT03668418)は膵がん・消化器がん患者120名を対象とした世界初の無作為化試験であり、2025年1月に患者登録が開始された。これまでのPDXZシステムにおける臨床治療薬応答性平均予測能は89.0%である。また同等の予測能ではあるがスループットが著しく低い患者がん移植マウスシステム(PDXM)以外には、代替できる方法は、現時点では存在しないことが、明らかにされている。そこで、今後さらに臨床実装への急激な展開が予測されることから、個別化医療判断や創薬スクリーニング決断のために、このPDXZプロトコルにおける非臨床変動因子を最小化し、自動化スループットや精度を最大化したので、具体的詳細プロトコルを報告し、がん個別化医療やハイスループットin vivo創薬スクリーニングを実現するための全てを解説する。