2012/06/01 |
2012年6月1日、JST東京別館ホールにて開催された東海国立3大学新技術説明会において、以下の報告をしました。当日は、業界紙化学工業日報の取材を受け、出願特許の詳細内容等を説明しました。
新規創薬ターゲットとしての腫瘍血管新生制御遺伝子
Novel Drug Targets in Tumor Angiogenesis Therapeutic Implications
15:45〜16:15
国立大学法人三重大学 大学院医学系研究科 生命医科学専攻 教授 田中 利男
Toshio TANAKA, Mie University
http://pgx.medic.mie-u.ac.jp/
新技術の概要
腫瘍血管新生は、治療戦略において重要な役割を果たしているが、新規創薬ターゲットが枯渇している。我々はヒト癌移植モデルシステムを開発し、2種類の新規制御遺伝子を発見し、これらの遺伝子発現を抑制すると治療効果が明らかとなった。
従来技術・競合技術との比較
従来のマウスモデルと比較して、我々のゼブラフィッシュモデルは、化合物やゲノム機能のinvivoハイスループットスクリーニングが96穴プレートで実現することから、作用機構解明やリード化合物探索を高速化することができる。
新技術の特徴
・ゼブラフィッシュによる創薬スクリーニングシステム
・ゼブラフィッシュによる機能性食品開発システム
・ゼブラフィッシュによる安全性薬理・毒性スクリーニングシステム
想定される用途
・新規病態バイオマーカー開発
・新規創薬ターゲットとしてのセルフリーやセルベーストスクリーニングシステム
・新規創薬ターゲットとして医薬品開発
ゼブラフィッシュによる抗がん剤スクリーニングシステム
Zebrafish-based Screening System for Anti-Cancer Drug Discovery
三重大学大学院医学系研究科薬理ゲノミクス 田中利男
ヒト癌細胞は、培養時と移植後のトランスクリプトームが大きく異なり、分子標的薬といえども依然として安全域が狭いことから、ヒト癌移植ゼブラフィッシュによる抗がん剤スクリーニングシステムを構築した。このシステムにおいて、ヒト移植癌の増殖、腫瘍血管新生、遠隔転移に対する薬効用量(ED:effectivedose)、毒性用量(TD:toxic dose)、致死用量(LD:lethal dose)のinvivo定量的解析を同一個体で実現したので、報告する。