2018/10/24 |
次世代ゼブラフィッシュ創薬とプレシジョンメディシン
○田中 利男
三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学
三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
ゼブラフィッシュ創薬の成功例が、最近数多く報告され、それらの全ては下図に示す新しいゼブラフィッシュ創薬プロセスにより実現しております。その結果、従来のリバース創薬からフェノーム創薬へのパラダイムシフトがグローバルに出現しております。すなわちin vivo フェノタイプスクリーニングの重要性が明確となり、ゼブラフィッシュは、重要な創薬ツールとして欧米で確立されてきました。我々はさらに、患者がん移植モデルでの薬効解析の有用性を明らかにし、自動化、高速化、可視化などを実現し、ハイスループットin vivo ライブスクリーニングや臨床プレシジョンメディシンへ展開しております。患者がん移植ゼブラフィッシュモデルは、免疫学的に未成熟な正常ゼブラフィッシュに100個の患者由来がん細胞を移植し、移植後100時間で抗がん剤薬効定量(細胞増殖、転移、腫瘍血管新生)が可能です。分子ターゲットが確立していない前臨床in vivoスクリーニングやFirst in Human直前における候補化合物のex vivo定量的薬効試験などに、患者がん移植ゼブラフィッシュモデルが有効であり、ゼブラフィッシュ創薬における最新の国際的展開と我々の取り組みについて報告します。
第4回ゼブラフィッシュ創薬研究会:基調講演
2018年11月20日(火)10:00ー17:30
産業技術総合研究所 臨海副都心センター