MZT(株)ゼブラフィッシュ創薬研究所

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新しいヒト癌移植モデルにおける腫瘍血管新生の薬理ゲノミクス研究

演者名○黒柳 淳哉1)、張 貝貝1)、梅本 紀子1)、島田康人1)2)3)4)、西村 有平1)2)3)4)、田中利男1)2)3)4)
所 属
1)三重大学大学院医学系研究科薬理ゲノミクス分野
2)三重大学生命科学研究支援センターバイオインフォマティクス部門
3)三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
4)三重大学新産業創成研究拠点 オミックス医学研究室

血管新生のメカニズムの解明に向けた基礎研究と技術などの進歩により、近年、固形癌において、VEGFあるいはその受容体などを阻害する中和抗体や低分子化合物が臨床応用され、画期的な治療法となっている。しかし、臨床上有効性や安全性が確立されている治療薬は限られている。そのため前臨床において、腫瘍血管新生をターゲットする新たな生体分子の同定や、血管新生阻害薬開発におけるより効果的なバイオマーカーの開発が急務とされている。
我々は、血管内皮細胞特異的蛍光タンパク質を発現する色素欠損ゼブラフィッシュ系統の構築に成功し、血管組織の生体内(in vivo)イメージングを可能にしてきた。このゼブラフィッシュに対しヒト由来癌細胞の移植を行い、in vivoにおける腫瘍血管新生についてハイコンテントイメージャーを用いて画像解析を行った。また腫瘍血管新生を認められた群において、血芽細胞から血管内皮細胞への分化のプロセスに関与しているvascular endothelial growth factor (VEGF)・endothelium-specific receptor tyrosine kinase 2(TIE2)・Friend leukemia virus integration 1(Fli1)などの遺伝子の発現が上昇していた。さらに網羅的遺伝子発現解析(DNAマイクロアレイ)を行った結果、哺乳類と同様に血管新生に関与が報告されているmatrix metallopeptidase 9(mmp9)やその転写因子であるFBJ murine osteosarcoma viral oncogene homolog(fos)、jun proto-oncogene(jun)などを中心としたパスウェイの活性化が認められた。以上の結果により、腫瘍血管新生の遺伝子発現プロファイルにおいて哺乳類との外挿性が明らかにされた。そこで、腫瘍血管新生阻害薬の新規創薬ターゲット遺伝子の探索研究により、いくつかの候補遺伝子が見いだされたので報告する。