2017/09/29 |
ゲノム創薬時代においてもFirst-in-Class創薬の多くは、フェノタイプスクリーニングにより実現していることが明らかとなりました(Nat Rev Drug Discov.2011,10:507)。一方、21世紀に入って発展し続けているゼブラフィッシュ創薬は、ProhemaやPROTO-1などのFirst-in-Class創薬を成し遂げつつあり、その創薬戦略はオミクスを基盤とするハイスループットin vivo フェノタイプスクリーニングによるフェノミクス創薬であります(Nat Rev Drug Discov.2015,14:721)。すなわちフォワード薬理学とリバース薬理学の統合的ツールとして、そのポテンシャルの大きさが明らかとなり、我々も10年以上前から前臨床システムとして開発してきました。一方、Patient-Derived Xenograft Zebrafish Modelを、次世代フェノミクス個別化医療を実現するための新規体外診断薬として、現在三重大附属病院にて膵癌と肝細胞癌を中心に開発しております。さらに今後ICHガイドラインにゼブラフィッシュが導入されることから、規制科学の観点からも無視できなくなり、多くの製薬企業やCROが、そのインフラ整備を急ぐ必要性が出てきました。しかしながら、ゼブラフィッシュ創薬の歴史は浅く、国際的にも10年余りであるため基盤技術や創薬戦略も不充分であり、本来ゼブラフィッシュの持つ創薬ツールとしてのポテンシャルを十分に活かしきれていないので、ゼブラフィッシュの限界に目が行くのが現状であります。この現状を打破することが、緊急課題となります。