2019/11/02 |
第5回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会
開催日: 2019年11月2日(土)
[研究発表会:10時〜17時50分](https://www.notion.so/6a03dc064aaf4bd4ad94f5fc6f715572)
情報交換会:18時〜19時30分
会場: [千葉大学薬学部120周年講堂](http://www.p.chiba-u.jp/general/access.html)(講演会場)、医薬系総合研究棟I 1F(ポスター・企業展)
共催:千葉大学薬学研究院、日本薬学会
委員長 伊藤素行(千葉大学)
組織委員
田中利男(三重大学)
原英彰(岐阜薬科大学)
藤原道夫(アステラス)
出口 友則(産総研)
溝口貴正(千葉大学)
プログラム委員
藤原道夫(アステラス)
西村有平(三重大学)
久米利明(富山大学)
患者がん移植ゼブラフィッシュモデルによるプレシジョンメディシン
山田佳代子1,3、黒田逸子1,3、益川莉帆1,3、岸本悠哉1,3、
早崎碧泉2、村田泰洋2、栗山直久2、岸和田昌之2、伊佐地秀司2、○田中利男1,3
三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学1、肝胆膵・移植外科2
三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター3
プレシジョンメディシン(Precision Medicine,精密医療)とは,各患者個人レベルで最適な治療を可能にすることであり、先端がん個別化医療としてのプレシジョンメディシンが急速に発展している。現在のプレシジョンメディシンの主な基盤は患者のオミクス情報であり,薬物治療応答性を各患者のオミクス情報により予測しようとするものである。しかし,患者オミクス情報と既知の医学医療情報による個別化医療は統計学的予測に依存するため,その精度向上には,多数の患者の大量のオミクス情報が必要であり,膨大なコストと時間が不可欠となる。一方,米国立がん研究所(NCI)などにより、先端がんプレシジョンメディシンにおいては,患者がん移植マウスモデル(Patient-Derived Xenograft Mouse Model; PDXM)を活用することが国際的に急激な展開を示している。現在世界では高度免疫不全マウスによる患者がん移植モデル(PDXM)が圧倒的に活用されているが,いくつかの課題があるので,我々は正常免疫であるゼブラフィッシュによる新しい患者がん移植モデル動物(PDX Zebrafish Model)による次世代プレシジョンメディシンプロトコルを構築し、その有効性を確立したので報告する。すなわちゼブラフィッシュへの患者がん移植の生着スピードが,免疫システムの未熟な受精後36時間以内に移植すれば速いこと,移植に必要な患者がん細胞が100個以下であり,2日間で薬効を定量解析できるなどの利点から,患者がん検体のゼブラフィッシュ移植モデルを構築した。これらヒト臨床がん細胞のゼブラフィッシュ移植システム(PDXZ)は,PDXMより圧倒的に迅速な治療薬感受性試験が実現し、手術後治療応答性の予測性が明らかとなり,次世代個別化医療プロトコルになることを確立した。