2024/05/02 |
2024年7月5日(金) 15:00-16:00、会場:福岡国際会議場 第7会場での日本毒性学会で、下記ゼブラフィッシュ腎毒性スクリーニングシステムを報告します。
新しいハイスループット個別ゼブラフィッシュ腎毒性スクリーニングシステムの創生と応用
野本毅1,2、清水陽嘉1,2、寺見文宏1,2、森葵泉1,2、松岡さおり1,2、櫛田友紀1,2、西野加奈子1,2、○田中利男1,2
1三重大学大学院医学系研究科システムズ薬理学
2三重大学メディカルゼブラフィッシュ研究センター
そこで、ゼブラフィッシュ毒性研究における飼育品質管理の重要性について報告いたします。以下にその主要な点を説明します。
1. 栄養と給餌
ゼブラフィッシュの栄養と給餌は、繁殖成功に直接影響します。彼らの栄養要求は未知数であるため、暖水性の雑食性の魚類である金魚やコイなどのデータを参考にしています。適切な飼料の選択と給餌方法は、魚の成長、生存、繁殖能力、そして免疫機能の最大化に必要です。
2. 水質の維持
水質管理もまた極めて重要です。給餌プロセスにおいて、水溶性栄養素が餌から流出してしまうと、栄養価の低下や藻類の過剰発生を引き起こす可能性があります。そのため、飼料は適切に保存し、水に浸さずに給餌することが推奨されます。
3. サイクルと繁殖
繁殖サイクルはゼブラフィッシュの管理において中心的な要素です。繁殖能力が高く、迅速に性的成熟に達するため、研究において多くの個体を迅速に確保することができます。適切な環境条件と食料供給は、高い繁殖率を維持するために不可欠です。
4. 遺伝的管理
ゼブラフィッシュの遺伝的多様性を維持することも重要です。緊密な繁殖管理と遺伝的多様性の維持は、疾病の感受性の低下や繁殖性能の低下を予防するために必要です。
5. 疾病の予防と管理
病気の予防と管理は、ゼブラフィッシュ施設運用の基本であり、健康な魚の維持が研究の正確性に直結します。感染症のリスクを低減するために、隔離と衛生管理がしっかりと行われねばなりません。
これらの管理は、ゼブラフィッシュを使用した創薬研究において、正確で再現性の高いデータを得るために不可欠です。適切な飼育管理が行われていない場合、研究成果に影響を及ぼす可能性があります。